配膳ロボットをFAで使う場合の注意点② ~準備編~

目次
配膳ロボット活用の最前線
近年、工場やFA現場での搬送ロボットの導入が急増しています。これは、人手不足の解消や業務効率の向上を目指した取り組みとして、多くの企業が注目しているからです。特に配膳ロボットは、工場内の特定の目的地まで安全に搬送物を運ぶことができるため、業務のスムーズな進行に寄与します。ここでは、配膳ロボットの選定から実際の導入までの流れを詳しく説明し、その重要性を解説します。
1. 搬送物の選定
配膳ロボットを製造現場へ導入する際に、搬送物を選定する必要があります。当社取り扱いの配膳ロボットはAMRやAGVと比べると小回りが利き、狭い道でも走行可能なことが長所なのですが、その分サイズが小さく、軽いものしか運ぶことはできません。
FAの現場では比較的重量の大きな製品も多いため、適切なワークに対して、適切に配膳ロボットを選定することが重要となります。
参考に、具体的な搬送物としては、自動車部品や電機部品、食品包装材料などが考えられます。例えば、自動車部品の一つである小型エンジン部品は5kg程度、電子部品のパッケージは10kg程度、食品包装材料のロールは20kg程度となります。
搬送の自動化を検討されているお客様の工場内の対象製品を事前に洗い出し、検討を行う必要があります。
BellaBotの搬送スペック
- 最大積載量:40kg
- 1トレーの最大積載量:10kg
- トレーの数:4段(取り外し可能)
- トレーのサイズ(mm):510×410
PuduBot2の搬送スペック
- 最大積載量:40kg
- 1トレーの最大積載量:13kg
- トレーの数:3段(取り外し・高さ調節可能)
- トレーのサイズ(mm):520×432


2. 目的地や経路の選定
工場やFAの現場に配膳ロボットを導入する際には、目的地や経路を選定する必要があります。
工場内では、通路が狭く荷物が置かれていることや、人とフォークリフトが行き交う状況が頻繁に発生します。そのため、経路選定時にはこれらの課題を洗い出し、対策・改善を行うことが必要です。
配膳ロボットの使い方の一つである配膳モードは、所定の待機位置から目的地まで搬送物を運びます。
BellaBotであればトレーが4つあるので、一度に最大で4か所※に搬送出来ます。
※一度に5か所以上搬送したい場合、別の方法で対応が検討できます。詳しくはお問い合わせください。
経路の選定では、以下のことを確認しながら選定してください。
- 通過できる道幅の確認:ロボットが通過できる幅はBellaBotで70cm、PuduBot2で80cmです。
- 経路の障害物の確認:ロボットの高さは130cm程度です。地上から130cm以内に障害物がないかの確認が必要になります。


3. 走行テストの実施
ロボットの走行に適しているかどうか?の確認として、実機での走行がベストです。過去に油でしっとりしていた床での走行が不可能で断念頂いたケースがありました。当社ではお客様の現場での走行テストを随時申しつけしております。
- 目的や経路、環境の確認:これまでに確認していただいたことをヒヤリングし、走行に問題が無さそうであれば実機を持ち込みテストさせていただきます。
- 実際に走行テスト:目的地や経路を確認しながらマッピングを実施し、ルートを作成した後は実際に走行できるかのテストを行います。


4. 配膳ロボットのお貸出し
配膳ロボットは環境変化にあまり強くありません。テスト走行初日は上手くいったが、ロボットが認識していたMAP(風景)に大きな差異が発生した際に、ロボットが上手く走行できなくなる可能性があります。この場合の対応方法はノウハウがある当社にお任せください。
当社では最大2週間をメドに無償のレンタルやデモ会を実施しております。お気軽にお問い合わせください。
お貸出し中に確認していただくこと
- 環境の変化:台車などの日によって位置が変わるものがあっても走行に問題が無いか確認。
- 天気や湿度:雨が降ったりした際にも変化や問題が無いかの確認。
- 人の変化:曜日によって経路に人が多くなった際でも走行に問題が無いか確認。
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